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「新潟市が5月30日、市立中学校で働いていた臨時司書職員が学校図書を転売したとして刑事告訴した」というニュースが流れた。
 新潟日報の記事によれば、臨時司書職員は「金銭的に厳しく、食費など生活費に使った」と語っているという。

さて、学校図書を転売したことは責められなければならないのだが、「食費など生活費に使った」ということだから、いったいどれぐらい賃金をもらっていたのか気になるところだろう。
そこで、調べてみた。

新潟市ホームページによれば、臨時学校図書館司書の求人条件は、以下の通りである(更新日2012年6月1日)。
shisho
司書資格が必要であるにもかかわらず、雇用期間は「学期ごと」。
確認していないが、このような場合、学期間の子どもたちの休みの日(夏休み等)は雇用がないと思って間違いないだろう。つまり、年間の中で考えると、無給の期間が生じてくるので、年収ベースでは月平均×12ヶ月ではないと考えてもらいたい。

時間単価は、820円に過ぎない。
しかも、週30時間ならばともかく、週27.5時間などという「社保逃れ」の労働時間ともなれば、可処分所得はぐんと低くなる。 

手取りがどうなるのか計算してみよう。

週30時間だとして、
820円×週30時間=24600円。
ちょっと少なめだが、1ヶ月を4週間(28日)とすれば、
24600円×4週=98400円。
税金や社会保険料などを差し引くので、目安としてはだいたい8掛けしておけばよい。
98400円×0.8=78720円。

これでは、生活が苦しくなるのは当然である。
ましてや、週27.5時間では、なおのことだ。

つまり、そもそも論から見直さねばなるまい。
こんな低賃金で、地域住民を働かせることによって、新潟市は何が楽しいのだろうかということだ。
こんな低賃金で、地域住民を働かせることによって、新潟市は子どもたちに何を見せたいかということだ。

新潟市は被害者ぶっているが、実は加害者の面もあることを忘れてはいけないだろう。