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先日、いじめ見逃しゼロを目指す集会が開かれました。

いじめ見逃しゼロを目指して 聖籠で下越大会

学校と地域が交流を深め、いじめ見逃しゼロを目指す県民運動の下越地区集会が12日、聖籠町町民会館で開かれ、住民や教員ら約600人が参加した。「深めよう絆」を合言葉に討論会や実践発表を行った。

新潟日報  2013/10/12

にいがた青年ユニオンには、いじめに限らず、人間関係の悩みを抱えた子どもたちからの相談も舞い込みます。

先日、とある方とお話しする機会を得たときに、こんな話を伺ったのです。

生活に困っている世帯の子どもが給食を食べられない差別

生活が苦しい世帯の子どもが、経済的理由で学校にいけないことがないように「就学援助」という制度があります。就学援助は、学用品費などが支給されますが、その中に給食費もあります。給食費は実費が支給されます。

普通に考えれば、生活が苦しい世帯で就学援助を受けていれば、給食費の実費が支給されるので、給食を食べられない、給食費が未納になるということは考えられません。しかし、ここで事件は起きるのです。

それが「プリペイド方式」だといいます。

「プリペイド方式」とは、教育委員会が給食費の未納をゼロにするために、子どもが、あらかじめ入金したプリペイドカードを利用して給食を購入する方式です。たしかに、未納はゼロになります。あらかじめ入金されており、そこから引かれるわけですから。しかし、就学援助の給食費は、実費が後から支給されます。実費という意味は、給食を食べなければ支払われませんし、休んでもその日の分は支払われないわけです。

つまり、生活が苦しい世帯の子どもは、あらかじめ給食費を立て替え払いをしてプリペイドカードに入金し、それを使って給食を食べ、後から就学援助費が支払われるということになります。

このタイムラグが問題になります。

給食費を立て替えることすらできない世帯の場合、給食費を入金することができず、結果的に給食を食べることができません。事実、「プリペイド方式」が採用されると、就学援助を受けている世帯の子どもの少なくない数が給食を全く食べられない状態になるといいます。

この「プリペイド方式」の改善を訴えているその方は、「学校の中で楽しい時間である食事の時間をみじめなものに変えてしまう」と言います。そればかりか、食事ができなかったばかりに体育の時間に倒れるケースもあるといいます。しかし、教育委員会はそのことを全く気に留めていません。

いじめ見逃しゼロ運動もそうですが、周囲の大人が、いかに弱い立場に置かれている子どもに目線を下げることができるかが問われているのではないでしょうか。

特に、経済的に困窮している世帯への対応は、お粗末といえます。貧困の連鎖を止めるために学習支援は行うようになりましたが、学習だけでなく生活支援こそ基礎になってよいはずです。