新潟市臨時司書職員が学校図書を転売「生活費に」という給料はいくらか
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新潟日報の記事によれば、臨時司書職員は「金銭的に厳しく、食費など生活費に使った」と語っているという。
さて、学校図書を転売したことは責められなければならないのだが、「食費など生活費に使った」ということだから、いったいどれぐらい賃金をもらっていたのか気になるところだろう。
そこで、調べてみた。
新潟市ホームページによれば、臨時学校図書館司書の求人条件は、以下の通りである(更新日2012年6月1日)。
司書資格が必要であるにもかかわらず、雇用期間は「学期ごと」。
確認していないが、このような場合、学期間の子どもたちの休みの日(夏休み等)は雇用がないと思って間違いないだろう。つまり、年間の中で考えると、無給の期間が生じてくるので、年収ベースでは月平均×12ヶ月ではないと考えてもらいたい。
時間単価は、820円に過ぎない。
しかも、週30時間ならばともかく、週27.5時間などという「社保逃れ」の労働時間ともなれば、可処分所得はぐんと低くなる。
手取りがどうなるのか計算してみよう。
週30時間だとして、
820円×週30時間=24600円。
ちょっと少なめだが、1ヶ月を4週間(28日)とすれば、
24600円×4週=98400円。
税金や社会保険料などを差し引くので、目安としてはだいたい8掛けしておけばよい。
98400円×0.8=78720円。
これでは、生活が苦しくなるのは当然である。
ましてや、週27.5時間では、なおのことだ。
つまり、そもそも論から見直さねばなるまい。
こんな低賃金で、地域住民を働かせることによって、新潟市は何が楽しいのだろうかということだ。
こんな低賃金で、地域住民を働かせることによって、新潟市は子どもたちに何を見せたいかということだ。
新潟市は被害者ぶっているが、実は加害者の面もあることを忘れてはいけないだろう。
コメント
コメント一覧 (13)
安い賃金で期間を区切って臨時雇用を繰り返し、厚生年金や健康保険に加入させなくて済むようにしています。
人様の子どもの命を預かるという重責に対しての扱いとは到底思えません。
一方、保育士に限らず正職の公務員は優遇されすぎています。
もし開かないなら、図書館法に基づく図書館ではないという扱いになりますし。
あと、非常勤や短期雇用の場合、本当に「8掛け」でいいんですか?
その理由を理解することはおろか、想像することさえできない
犯罪は絶対的に悪いことと思いますが,背景にある社会的問題を解決しないと,同じたぐいの犯罪は減らないでしょう.私は労働に見合った対価が支払われるべきと思います.私も喜んで非常勤講師をやっているわけではありませんし.
「にいがた青年ユニオン」さんの言い分だと給料が安かった場合は、被害者だから会社の備品を盗んでも良いということですよ。
そんな変な論理が認められるわけ無いでしょう。
それとも「にいがた青年ユニオン」さんの内部では備品がなくなることは常であるので、それが常態化して麻痺しているのでしょうか。
現状、低賃金を責める人より低賃金にしろという人の方が圧倒的多数なのです。
市は主権者たる市民に従っているだけでしょう。
このニュースを見た時、なんともせせこましい事件だと思ったのですが、
このような背後関係を知ると、ニュースの見方が変わってきますね。
ここで、臨時司書がいいとかわるいとか、の議論はナンセンスです。
ここで話してるのは「社会」の話であって「個人」の話ではありません。
この記事は「こんな社会でいいの?」って内容ですね。
司書だけ時給UPしていたら、他の嘱託さんも上げなければ不満が出るのは当然。
この問題は、新潟市だけでなく、全国の小中学校へ司書を置く必要性が本当にあるのかまで、
皆で考えるべきだと思う。必要だというのなら、こんな不安定雇用は改善すべきだろう。
個人的にはネット時代に合わせた、新しい制度にリニューアルすることを前提に賛成。
おっしゃっていることは概ね事実ですが、その分非常勤講師の実労働時間は非常に少なく、アルバイト料は高額です。比較対象が間違っているかと存じます。
それぞれは別問題かと存じます。司書が備品を売却したことと、臨時職員のバイト代が適正か疑問が残ることと、そもそもなぜ件の職員は生活が成り立たない程薄給の仕事についているかを論じるべきでしょう。
正職員で司書を募集すると、100倍を超える応募が来る。
最近は、公務員は1人だけで、ほかは全部派遣というのも多い。
その場合、派遣は都内でも時給900円前後。フルタイムで働いても
税込みで15万前後。これでは優秀な人ほど、司書にはならない。
まずしいから盗むというのは、論外だが、低賃金の問題は
はっきりさせる必要がある。
市が教育費ケチった結果のひとつがこれです。教育は人が大事だとおもうのですが。
話はそれますが、人件費節約の為にボランティアを頼るのもいかがなものか。